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新しい世紀の幕開けを祝う新年、
おめでとうございます。
20世紀後半、グレゴリオ聖歌やルネサンスの音楽の研究・演奏に多くの新たな刺激が与えられた結果、これらの古い音楽が現代の私たちの精神生活にとってどれほど大きな意味を持ちうるかが次第に明らかになってきているように思います。
21世紀にはどのような新しい音楽が生まれてくるのかわかりませが、西洋でキリスト教文化が非常に高い水準にあった時代の音楽が、これからもますます私たちを養なっていってくれることに違いはないでしょう。
私どもヴォーカル・アンサンブル カペラは、ルネサンス・フランドルの巨匠ジョスカン・デ・プレの没後500年を記念する2021年に向けて、ジョスカンの全作品の演奏を目指します。また、デュファイ、オケゲム、オブレヒト、イザーク、ド・ラ・リューなど、15世紀フランドル楽派の他の作曲家にも積極的に取り組んでいきます。
そしてこれらすべての作曲家にとってインスピレーションの源泉であったグレゴリオ聖歌はカペラにとっても重要なレパートリーであり、これからもプログラムに取り入れていくつもりです。
活動の中心は「ミサ形式」の演奏会です。信者にとっては本当のミサではなく、また、一般の音楽愛好家にとっては、音楽以外の要素がだいぶ含まれる宗教色の濃いこの形式は、ともすれば大変中途半端なものと受け取られるかもしれません。しかし、それをあえて妥協の産物としてではなく、現代においてこのような古い宗教音楽を演奏する際に考えられる新しいタイプの場であるととらえていただきたいと思うのです。
プロの歌手の演奏によるラテン語ばかりのミサは、現代の教会の一般的な典礼では実現が困難ですし、広く望まれているわけでもありません。また、本来教会での典礼のために作られた音楽を、それにふさわしい枠組みで聴いてみると、演奏会として鑑賞するのとはまた違った、作品の本質により近い理解が可能になるということもあるでしょう。
それは、キリスト教信者であるなしにかかわらず、音楽を聴く、ということを越えた、ある「祈り」の場にさえなるのではないでしょうか。
ヴォーカル・アンサンブル カペラは、そのような空間をこの日本に創造していけるよう、これからも努力を続けていきたいと思います。今世紀も皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
本年が皆様にとって平安な、美しい祈りで満ちた年になりますように。
2001年1月1日
ヴォーカル・アンサンブル カペラ
マエストロ・ディ・カペラ(音楽監督)
花井哲郎
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