ジョスカン・デ・プレ没後500年記念
Josquin 1521-2021
TOKYOジョスカン・フェスティバル2021

期間: 2021年10月23日(土)・24日(日)
[関連イベント:10月22日(金)]

この週末は、ジョスカンになろうよ

ルネサンス音楽の巨匠ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez (1450/55?-1521)の没後500年を記念して、10月第4週の週末にジョスカン。フェスティバルを開催します。ルネサンス時代の中間にあって、中世と近代音楽両方の性格を併せ持ち、現代においても変わらぬ強烈な魅力を感じさせる大作曲家です。ジョスカンの音楽を堪能できるよういろいろな催しを用意しました。このまたとないチャンスに皆さんのご参加を心よりお待ちしております!

声楽アンサンブルは共に歌いながら、器楽アンサンブルは通奏低音のオルガンやチェンバロを弾きながら、合唱・管弦楽は指揮して演奏する古楽演奏家。音楽史、古い記譜法、演奏法の研究を行う。「ヴォーカル・アンサンブル カペラ」音楽監督としてグレゴリオ聖歌とルネサンス宗教音楽の演奏を20年以上にわたって続ける。また古楽アンサンブル「コントラポント」のリーダーとしてバロック時代の宗教音楽演奏を行う。長野県原村で「はらむら古楽祭」を開催、古楽の新しい楽しみ方を提唱する。フランス・バロックの宗教音楽に特化した合唱団フォンス・フローリスを始め、様々な古楽アンサンブルを指揮・指導。各地でグレゴリオ聖歌とルネサンス音楽の講習会を行ってその教育、普及に努める。フォンス・フローリス古楽院院長、国立音楽大学講師。

もくじ

関連イベント:10月22日(金)
Concert ジョスカンを聴く

A 《ヴォーカル・アンサンブル カペラ定期公演》

10月23日(土)
Workshop & Performance ジョスカンを歌う & 楽しむ

午前10時〜12時 B 《ワークショップ:オリジナルの楽譜でジョスカンを歌ってみよう》
午後1時〜4時 C 《ジョスカン祭りだ!フリンジ・コンサート》
午後5時30分開演 D 《アンサンブル・サリクス Ensemble Salicus コンサート》

10月24日(日)
Symposium ジョスカンを学ぶ

午後1時〜6時 E 《ジョスカン・シンポジウム》

チケットとお問い合わせ

入場料 と お得な通し券
お問い合わせ先はこちら

関連イベント 10月22日(金)
Concert ジョスカンを聴く

会場 東京カテドラル聖マリア大聖堂(カトリック関口教会)
東京都文京区関口3-16-15

TOKYOジョスカン・フェスティバル2021は、ジョスカン・ミサ曲CD全集を始め、ジョスカンの音楽に20年以上取り組んでいるヴォーカル・アンサンブル カペラによる演奏会で幕を開けます。ジョスカンの数あるモテットの中でも特に人気の高い名曲を厳選しました。ジョスカンの真髄が味わえることと思います。

前売4,600円(学生2,500円 当日5,100円)
カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)
チケットのお申し込みはこちら

演奏曲目:
ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez (1450/55?-1521)
「私を憐れんでください、神よ」“Miserere mei, Deus”
「主の祈り/アヴェ・マリア」“Pater noster/Ave Maria”
「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」“Stabat mater”
「あなたのみがくすしき御業をなさる方」“Tu solus qui facis mirabilia”
ほか

ヴォーカル・アンサンブル カペラ
vocal ensemble Cappella

ヴォーカル・アンサンブル カペラは古楽演奏家花井哲郎を音楽監督に古楽に取り組む声楽家によって1997年に結成された、グレゴリオ聖歌とルネサンスの音楽をレパートリーとする古楽声楽グループ。作品の真価が最大限に発揮されるよう、時代様式にふさわしい発音、発声法、音律などを追求し、グレゴリオ聖歌は10世紀の古いネウマに基づき、またルネサンス音楽は15、16世紀の計量記譜によるオリジナルの楽譜を使用して演奏する。宗教音楽は歴史的な典礼の枠組みを尊重して、グレゴリオ聖歌、祈祷、朗読などにルネサンスのポリフォニーを交えたミサや晩課といった形式でプログラムを組む。2001年以来13枚のCDをリリース、レコード芸術特誌選盤などに選ばれる。特にフランドルの巨匠ジョスカン・デ・プレには力を入れ、ミサ曲全集を好評リリース中。2015年に第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞。2020年以降インターネットを通じた演奏配信にも力を入れ、2021年8月にはベルギーの音楽祭 Laus Polyphoniae に東京から配信の形で参加予定。

10月23日(土)
Workshop & Performance ジョスカンを歌う & 楽しむ

会場 大森福興教会
東京都大田区山王2丁目12-10

 2日目はジョスカンを愛する人たちが集い、ジョスカンを歌い、聴きあいます。締めくくりは期待の若手古楽アンサンブル・サリクス Ensemble Salicusによるコンサート。グッズの販売も行います。大いに盛り上げましょう!

3,000円(学生2,000円)
カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)
チケットのお申し込みはこちら

 ジョスカンと言えば「アヴェ・マリア」!あの名曲をオリジナルの計量記譜による楽譜で歌ってみましょう。参加ご希望の方にはあらかじめ準備できるよう、記譜法の解説など講師による「予習動画」と楽譜を事前に配布します!古い記譜法が初めての方もぜひこの機会にチャレンジしてみましょう!そしてこの美しいモテットを実際に声を合わせて歌って楽しみましょう。

1,000円 (学生500円)
カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)
チケットのお申し込みはこちら

 アマチュアの合唱団・アンサンブルによるジョスカン連続演奏です。全演奏曲目についてヴォーカル・アンサンブル カペラ音楽監督花井哲郎が、その聴きどころを解説します。これだけまとめてジョスカンが生で聴けることはまずありません!

フリンジ・コンサート参加団体募集!

ルネサンス音楽の演奏に取り組んでいる合唱団・アンサンブルの参加を募集します。
・演奏曲目:ジョスカン・デ・プレの作品(できるだけ同じ曲が重ならない様調整しますので、ご相談ください)
・演奏時:15分程度
・参加費:1団体につき 30,000円
・締め切り:7月31日
・お申込はメールで:フォンス・フローリス contact@fonsfloris.com

4,000円 (学生2,000円)
カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)
チケットのお申し込みはこちら

演奏曲目:
ニコラ・ゴンベール「ジュピターの娘、ムーサたちよ」
Nicolas Gombert (ca.1495-ca.1560), “Musae Jovis”
ベネディクトゥス・アッペンゼラー「ジュピターの娘、ムーサたちよ」
Benedictus Appenzeller (1480/88 – after1558), “Musae Jovis”
ジョスカン・デ・プレ「解き放ってください、主よ」
Josquin des Prez (1450/55?-1521), “Absolve, quaesumus, Domine”
ヒエロニムス・フィンダース「ああ、避けられぬ死よ」
Hyeronimus Vinders (1525/1526頃に活躍), “O mors inevitabilis”
ジャン・リシャフォール 死者のためのミサ曲「レクイエム」
Jean Richafort (ca.1480 – after1547), Missa pro defunctis


アンサンブル・サリクス Ensemble Salicus

櫻井元希が主宰する Salicus Kammerchor から生まれた少人数アンサンブルです。ジョスカン没後500年を記念して、ジョスカンが亡くなった際に書かれたとされる作品を演奏します。ポストジョスカン世代の作曲家は、彼の死とどう向き合ったのでしょうか。ジョスカンが遺したものはなんだったのかということに、あらためて思いを馳せる機会となるでしょう。
出演メンバー:渡辺研一郎、鏑木綾、富本泰成、櫻井元希、佐藤拓、西久保孝弘、相澤紀恵(1曲のみ)

◆Day 3 10月24日(日)
Symposium ジョスカンを学ぶ

会場 大森福興教会
東京都大田区山王2丁目12-10

フェスティバル3日目は、ルネサンス音楽研究家たちによるシンポジウムです。シンポジウムと言っても、広く一般の愛好家の方がジョスカンのことをより深く学び、楽しめる企画です。お話し、ディスカッション、そして演奏もあります!どなたさまもふるってご参加ください。

4,000円(学生2,000円)
カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)
チケットのお申し込みはこちら

今谷和徳 講演「ジョスカンとはどういう作曲家なのか〜ジョスカンの世俗作品を巡って」

15、16世紀のルネサンス時代には、現在のベルギーを中心としたフランドル地方出身の作曲家たちがヨーロッパの音楽界をリードしていました。中でも1500年前後に活躍したジョスカン・デ・プレはとくに重要な存在でした。ここでは、そのジョスカンの人物像について概観するとともに、その主要な創作ジャンルである多声シャンソンが、15世紀と16世紀のシャンソンの間にあってどのような形をとっていたのかなど、その世俗作品について考えます。

宮崎晴代 講演「ジョスカンの宗教音楽〜ミサ曲・モテットの魅力」

数多の名曲を残したジョスカン・デ・プレですが、中でも彼の宗教曲には、美しさ奥深さだけではなく、知的探求心にあふれた魅力も見られます。例えばミサ曲では、定旋律に「ラソファレミ」という音階を使ってみたり、曲の中に「なぞなぞ」を仕掛けたり。はたまたメッセージ性の高いモテットをひも解けば、そこには当時の音楽家が置かれた社会的事情も垣間見えてきます。ジョスカンの宗教曲の魅力を、様々な視点から見ていきましょう。

吉川文 講演「ルネサンス音楽の楽譜〜写本と初期印刷楽譜」

ルネサンスの世界を変革する大きな力をもった活版印刷術は、すぐに楽譜にも応用されました。最初の活版印刷楽譜として引き合いに出されるヴェネツィアの出版業者ペトルッチの楽譜には、ジョスカンの作品がいくつも収められています。「一点もの」の手書きの楽譜写本とは異なり、相当数の「既製品」としての印刷楽譜の登場によって、楽譜の書き方や音楽そのものに様々な影響が現れます。当時の楽譜から見えるもの、聞こえるものを探っていきます。

上尾信也 講演「ルネサンス楽器考~16世紀の楽器と演奏の変容」

ルネサンス楽器考~16世紀の楽器と演奏の変容
ジョスカンの時代、1500年頃のヨーロッパは内外に大きく変化します。時間軸と空間軸が広がるのです。また、戦乱の時代が故の技術革新は、中世の個性あふれる楽器類に、同じ形状で音域ごとに大きさを変える「制式」化をもたらし、今日の楽器の多くが生まれます。箱型横置き竪琴に鍵盤アクションが付きチェンバロそしてピアノになり、弦楽器の胴体が括れてヴァイオリンやギターになっていきます。楽器や楽譜を用いて演奏される技芸となった「音楽」の大きな変化を、16世紀の理論書や楽器指南書などから辿っていきます。

4人の碩学による講演を基点に、ディスカッションを行います。
リュートによるジョスカン・インタビュレーション
出演:滝井レオナルド(リュート)

演奏曲:
Adieu mes amours (Francesco Spinacino)
La Bernardina (Francesco Spinacino)
In te Domine speravi (Hans Neusidler)

ガンバ・コンソートによる世俗歌曲・器楽作品
出演:神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団

演奏曲:準備中


今谷 和徳

音楽史家。1945年生まれ。早稲田大学第一法学部卒業、同大学院文学研究科(西洋史専攻)博士課程後期課程単位取得満期退学。長年にわたり、早稲田大学、慶應義塾大学をはじめとする多数の大学で講師を歴任。現在、早稲田大学の公開講座の講師や各種レクチャーの講師、NHKのFM放送への出演など、多方面で活動。専門は西洋音楽史。著書に『バロックの社会と音楽・上下』(音楽之友社)、『ルネサンスの音楽家たちⅠ、Ⅱ』(東京書籍)、『新版 中世・ルネサンスの社会と音楽』(音楽之友社)、共著に『フランス音楽史』(春秋社)ほか。

宮崎 晴代 Haruyo Miyazaki

武蔵野音楽大学音楽学学科および同大学院修士課程音楽学専攻修了。米国フロリダ州立大学大学院博士課程でCertificate in Early Musicを取得後、東京大学先端科学技術研究センター協力研究員として、音楽における時間論と記譜法を研究する。大学で中世・ルネサンス時代の音楽理論研究を行う一方、中世音楽合唱団、ウェルガスアンサンブルに所属し、演奏活動も行っている。日本音楽学会、アメリカ音楽学会、西洋中世学会各会員。国際音楽資料情報協会(IAML)日本支部事務局長。著書『バロック音楽の名曲』(2008)、共訳書『グロケイオ「音楽論」全訳と手引き』、『ミクロログス(音楽小論):全訳と解説』など。東京芸術大学、武蔵野音楽大学、昭和音楽大学、各講師。

吉川 文 Aya Yoshikawa

東京芸術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科修士課程、後期博士課程修了。東京芸術大学非常勤講師、フェリス女学院大学非常勤講師などを経て、現在東京学芸大学音楽・演劇講座准教授。小金井市成人大学講座講師等務める。中世・ルネサンスの時代の音楽、特に音楽の理論的な捉えられ方について研究。訳書に『グレゴリオ聖歌の世界』、共著に『はじめての音楽史』。中世ルネサンス音楽史研究会に所属。同研究会訳書『ミクロログス(音楽小論)』にて論文「『ミクロログス』と文法」執筆。

上尾 信也 Shinya Agario

国際基督教大学大学院修了(学術博士)、西洋史と音楽史を専門とし、楽師(音楽家)や楽器などを扱った音楽歴史学を標榜する。戦争と音楽、「音楽心性」としての国歌にも関心を持つ。『歴史としての音』『音楽のヨーロッパ史』『吟遊詩人』など著作・訳書多数。最近は「音楽史におけるルネサンス再考」、クラヴィコード、パイプオルガン(ヒュドラウロス)、セビリアのイシドルス『語源』の楽器などの論稿がある。5月出版の『原典 イタリア・ルネサンス芸術論』でヴィンチェンツォ・ガリレイ「古代と当代の音楽についての対話」抄訳を担当。

瀧井 レオナルド(リュート) Leonardo Takiy (Lute)

日系ブラジル人三世。サンパウロ州立大学クラシックギター科卒業。バーゼル・スコラ・カントルムで名手ホプキンソン・スミス氏のもとリュートを学び、学士号及び修士号を取得。欧州、ブラジル、日本でリサイタルを開催し、2014年サンパウロ州立音楽院でリュート属楽器のマスタークラスを開催。2020年東京藝術大学古楽科特別講座を担当。つのだたかしや波多野睦美とのデュオで好評を博す他、通奏低音にも長け、R.ヤコブス、R.アレッサンドリーニ等著名な音楽家の監修/指揮するアンサンブルで多数演奏。2017年秋に日本へ移住後は国内の主要なオーケストラとも多数共演。佐藤裕希恵とのデュオ《ヴォクス・ポエティカ》では独自の世界観を追求。研ぎ澄まされたアンサンブルで聴く人を魅了し、CD『テオルボと描く肖像』はレコード芸術特選盤に選出。
公式サイト http://www.voxpoetica-duo.com

瀧井 レオナルド(リュート) Leonardo Takiy (Lute)

オランダ王立デンハーグ音楽院バロック声楽科、及びブラバント音楽院古楽声楽アンサンブル科卒業。レベッカ・スティワートに師事。オランダ、ベルギーを中心にヨーロッパ各地でソリストとして様々なアンサンブルやオーケストラと共演。日本ではグレゴリオ聖歌とフランドルの多声音楽をレパートリーとするヴォーカル・アンサンブル カペラで活動を続け、ジョスカン・デ・プレのミサ曲全集CDなどを録音。古楽アンサンブル「アントネッロ」と共演のCD《デュファイ・ラメント》などリリース。またフランス中世文学『薔薇物語』など文学と音楽を融合させるプロジェクトを行なう。トルコやアラブなどの民族音楽にも取り組み、西洋古楽を旋法的な音楽として再解釈し歌う試みを続けている。女声アンサンブル「ド・リーフデ」「Lux vivens」主宰、古楽アンサンブル「コントラポント」メンバー。
公式ブログ「歌わずにはいられない」 http://naomiconcert.blog.fc2.com/


入場料 と お得な通し券

関連イベント 10月22日(金)

A カペラ演奏会 前売4,600円(学生2,500円 当日5,100円)

10月23日(土)

B ワークショップ 3,000円(学生2,000円)
C フリンジコンサート 1,000円 (学生500円)
D アンサンブル・サリクス演奏会 4,000円 (学生2,000円)

10月24日(日)

E シンポジウム 4,000円(学生2,000円)

お得な通し券

カペラ演奏会+ジョスカンパスポート(A〜Eすべてをセット) 14,000円(学生8,000円)
ジョスカンパスポート(B〜Eすべてをセット) 10,000円(学生6,000円)

チケット・お問い合わせ: フォンス・フローリス

平日10時〜17時
070-4123-0871
contact@fonsfloris.com


主催: 株式会社フォンス・フローリス
カペラ公演助成: 文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)