ヴォーカル・アンサンブル カペラ ホームへ トピックス english english リンク コラムお問い合わせ CD 演奏情報トピックス
プロフィール

カペラのプロフィール
 ヴォーカル・アンサンブル カペラは1997年に、古楽に取り組む歌手とともに花井哲郎によって創立された声楽アンサンブルで、1998年1月より現在の名称で演奏活動を続けています。主なレパートリーはグレゴリオ聖歌とルネサンス・フランドル楽派の宗教曲です。現在の北東フランスからベルギー、オランダにかけての地方、つまりフランドルは15,16世紀を通して優れた音楽家を輩出、彼らはヨーロッパ各地で活躍し、個性的な作品を数多く残しました。それらはグレゴリオ聖歌の旋法を基礎とし、複雑な対位法を駆使しており、西欧音楽史上特筆すべき時代を証ししています。また、音楽的に優れているだけでなく、宗教曲は神に向かう深い祈りとして、神秘的な美しさを湛えています。

オケゲム
聖歌隊と歌うオケゲム (赤い服の人物?)
 カペラは特に、ルネサンス最大の作曲家の一人ジョスカン・デ・プレ(Josquin des Prez ca. 1450/55-1521)に力を入れ、没後500年に当たる2021年までに、彼の全作品を演奏しようという壮大な計画を進めています。また初期ルネサンスの巨匠ギヨーム・デュファイ (Guillaume Dufay ca.1400-1474)、ヨハンネス・オケゲム (Johannes Ockeghem 1410? 1425? -1497)、その他演奏される機会の少ないフランドル楽派の作曲家も取り上げています。
 演奏に際して、宗教曲はその曲が意図された典礼的枠組みの中で演奏されたときにその真価を最大に発揮できるとの考えから、通常の演奏会であっても教会という場をお借りしてミサや晩課の形式を取り、グレゴリオ聖歌やラテン語による聖書朗唱などとポリフォニー楽曲をとりまぜたプログラムを組むようにしています。

楽譜
コンサートで使用している楽譜
 楽譜はすべて15、6世紀に書かれた計量記譜法によるオリジナル譜を用い、ラテン語の発音も多くのフランドルの歌手達がそうしたと推定されるフランス的な方法で行っています。またその発音に基づいた、作品にふさわしい発声法により、旋法的な旋律の動きを表現し、純正な音律によるハーモニーと、教会の音響の中で最良の響きを得られるよう努めています。純正5度を基本とする音律はこの時代の音楽に欠かせないものですが、自然倍音を生かすことにより、単なる心地よさ以上のものを聴くものにもたらしてくれます。
 フランドル楽派の作品がその音楽的素材としてのみならず精神的にも多くを負っているグレゴリオ聖歌は、カペラの重要なレパートリーで、また演奏法、音楽性、霊性に関するインスピレーションの源です。最初期の記譜法である古ネウマ譜を生かしながらも、ルネサンスの楽曲とともに演奏されるときは、できる限り15、6世紀に歌われていた写本を使用、その時代の歌唱法の再現をも目指しています。

楽譜
1997年 神戸ルミナリエのCD
(カペラが録音に参加)
 カペラはその活動を通して、天の響きを地上に再現し、清らかな波動を送り続けることを目指していきたいと考えています。


カペラの哲学
 カペラが目指す音楽のあり方はいろいろな意味で従来の音楽の捉え方と異なることがあり、それが演奏形態、音になって現れてきています。もちろん、作品の原点に立ち返って、その作品の意図するところをいきいきとした形で現代に甦らせようという根本姿勢は、多くの古楽演奏と同じです。ただ、レパートリーが中世・ルネサンスの宗教声楽曲が中心であるということから、カペラの特異性が出てきます

 まず第1にプログラム構成ですが、多くの場合は、典礼のために作られた宗教的作品をそのコンテクストで聴くことのできるように、ミサ、晩課といった典礼の形で、教会の暦に合わせて演奏します。例えばいわゆるミサ曲は、聖書朗読や祈祷などいろいろな要素を持つミサという典礼の一部であって、キリエに始まる5つの楽章が通して演奏されること本来ははなかったのです。通常演奏会ではその「ミサ曲」の部分のみが演奏されますが、それが作品の本来の意図とは違っているということは明らかです。
 もちろん、純粋に音楽だけに焦点を絞って鑑賞したい場合にはそうする方が効果的でしょう。しかしカペラは典礼の形にこだわることによって、宗教的作品の歌詞が音楽を通して表現しようとしている別の次元の世界を、より良く伝えようとしているのです。
 このようなアプローチは、単に「宗教」へのこだわりではなく、また歴史的演奏をできるだけ忠実に究極まで押し進めようとする「音楽学・音楽史」的な興味にとどまりません。演奏会全体を有機的な流れとして組むことによって、ひとつのミクロコスモス、聴く者が身と心をゆったりとまかせられるような響きの空間を創出することができるようになるはずだとも考えているのです。

楽譜
 次に、歌手の並び方が普通のアンサンブルとは大分違いますが、これはひとつの大きな楽譜を全員が見て歌うことから必然的に帰結する配置で、当時の絵画などに見られる歴史的な歌い方です。
 ひとつの方向を向き、ひとつの楽譜を見、「密集隊形」でお互いの息づかいが身近に感じられるような位置で歌うということは、声のアンサンブルに大変有利です。この種の音楽を演奏するにあたって理想とされるのは、音が合うということを越えた深い所での歌手同士の調和です。この形によって、そのような調和がより一層促されることになります。

楽譜
小節線がない計量記譜法の楽譜
 「コワイヤブック」とよばれるこの大きな楽譜に書かれているのは、15、16世紀に使われていた「計量記譜法」によるパート譜で、小節線はありません。各声部が単旋律のグレゴリオ聖歌を土台とした旋律線を歌いつつ、各自がタクトゥス、つまり基本的な拍子を体で感じ、声で与えるサインにお互いが反応することでアンサンブルを形成していきます。視覚的にスコアという形で確認することができないので、まさに耳と「気配(けはい)」、お互いの「気配り」によってポリフォニーを織りなしていきます。

楽譜
 カペラのレパートリーの中心はグレゴリオ聖歌とルネサンス・フランドル楽派の音楽ですが、当時のフランドル地方の主要な文化的言語はフランス語でした。そしてフランドルの多くの音楽家たちが活躍したイタリアなどで、フランス語に基づく音楽がもてはやされていました。宗教曲の歌詞であるラテン語の発音が、それを発音する人の母国語に大きく影響され、フランス語圏の人が強いフランス語訛りでラテン語を発音していたことは歴史的にも明らかです。そういうわけでカペラはジョスカン・デ・プレなどの作品はフランス風ラテン語発音で歌います。
 発音は当然響きに影響し、響きを作り出す発声に影響し、そのように歌う人が作曲する音楽に影響します。ベルカントが生まれるはるか以前の、天井の高い石造りのゴシック聖堂のなかで最良に響く発声を再発見するひとつの鍵が、発音にあるのです。

 倍音を豊かに、効果的に使うフランス語式の発音は、グレゴリオ聖歌から16世紀に至る「旋法」的な音楽を歌う際に有利なのです。教会旋法を基本とする旋律線は、縦割りの和声ではなく、自然倍音のなかでの音の流れ、音程間の緊張関係を表現することを求めています。これを歌う際に、鼻母音を多く含み、響きの位置を常にフレキシブルに移動させるフランス語的な音の作り方がとても助けになるのです。グレゴリオ聖歌を始めとして、オルガヌム、アルス・ノーヴァ、そしてフランドル楽派と、西洋音楽の展開に果たしてきたフランス語圏の音楽家たち役割を思う時、それが言語の響きと無関係ではないだろうということは、歌う者の立場から容易に想像がつきます。

 そしてそのような響きが重なり合って和声を生じるとき、この時代の音楽が基礎とするのは純正5度を中核としたピタゴラス音律です。カペラは可能な限りこの音律を実現しようと努めています。さらに、15世紀以来次第に重みを増してくる純正3度もその中に柔軟に取り込んで、声のみのアンサンブルならではの純正かつ緊張感のあるハーモニーを作っていきます。

 このような要素に、しばしばとても複雑な対位法を駆使した宗教作品であっても合わせ持つ深い感情表出が加わったとき、作品の価値は最大限に生かされ、歌う者、聴く者双方に共鳴しあい、魂を高めてくれる場が生まれるでしょう。オペラ劇場やコンサートホールなどでの演奏とは全く異なる目的で作られた音楽作品を、残響豊かな教会の中でそれにふさわしい演奏アプローチとプログラミングで鑑賞して頂き、キリスト教信者であるなしにかかわらず、魂の平安に満ちた喜びを味わって頂くこと、そのような音楽を実現していくことが、カペラの目的なのです。

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