ヴォーカル・アンサンブル カペラ 公式ウェブサイト

カペラ定期公演と友の会 会員募集(2017/2018シーズン)
カペラ7月公演直前メッセージと【期間限定公開】プログラム・ノートはこちら

カペラ20 周年を感謝して

10 年間のオランダ滞在から日本に引き揚げてきて間もない頃、私がまずどうしてもやりたいと思ったこと、それが本格的なルネサンス音楽の声楽アンサンブルを立ち上げることでした。今でも残っている数名の初代メンバーには、まず楽譜の読み方から勉強してもらいました。その頃は音楽学の研究者以外ほとんど目にすることさえなかったルネサンス時代のオリジナルの楽譜を、そのまま実践的に使って歌うということに、地道に取り組んでくれました。さらに、小編成で緻密にグレゴリオ聖歌やポリフォニーを歌うためには、普段とはかなり違う声の使い方が要求されます。声楽家としてそれぞれに活躍していた初代メンバーにとっても新しいことの連続だったと思います。ルネサンス音楽にふさわしいアンサンブルとなるよう常に前向きに頑張ってきてくれたメンバーには、本当に頭が上がりません。

ジョスカン・デ・プレのミサ曲全集の CD リリースは現在進行中ですが、定期的に録音セッションを行うようになったことは、カペラの演奏が次の段階に進化するにあたって、とても貴重なことでした。同じ箇所を納得がいくまで何回も録音し直して、それをその都度全員で聴いて確認することで、アンサンブルに磨きがかかりました。あえて録音を取り仕切るディレクターを置かず、演奏者が自分たちで進めていくという、ある意味効率の悪いやり方が、かえって功を奏したのです。

効率が悪いということで言いますと、計量記譜によるコワイヤブックを囲んで歌うのは、各自がスコアを手にして、指揮者の指示に合わせて演奏する「合唱」形式よりはるかに手間がかかります。そもそも、ムジカ・フィクタという変化音や、歌詞の付け方といった、作品の基本的な部分さえ、演奏者が考えていかないといけないので、練習の途中にいろいろ試しながら曲そのものをその過程で仕上げていくのです。だから練習に必要な時間も多くなります。カペラの演奏曲目は演奏者にとってほとんどが新曲で、おそらくは本邦初演のものもかなり多いと思われます。よく知っている慣れた曲を演奏するのとはわけが違います。だからたくさん時間をかけて、練習の場で試行錯誤することによって、メンバー各自が作品の理解を根本から深めていくのです。

これを 20 年間、毎年平均 3 つから 4 つのプログラムで活動を続けてこられた、ということは本当にありがたいことです。これも定期公演に足を運んで応援してくださるお客様のお陰と思います。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

そして近年はまだ20 代の若い声楽家たちがこの音楽を学び、カペラに加わるようになってきました。長い間、メンバー 8 人のうち一人欠けても演奏ができない、代わりの歌手はいない、という状態でしたが、今では日程などの都合によってメンバーが一部替わったり、あるいは昔はなかなかできなかった声部数の多い、編成の大きな作品も演奏できるようになりました。まだ、若い枝を接ぎ木したようなところもありますが、これをもってカペラはさらに次の段階に入ってきています。グレゴリオ聖歌とルネサンスのポリフォニーはかけがいのない人類の知的、霊的、精神的な遺産です。これをさらに成熟したアンサンブルでお聴かせすることができるよう、今後とも精進していきたいと考えています。

ヴォーカル・アンサンブル カペラ 音楽監督 花井哲郎

カペラ 結成20周年記念演奏会1 ジョスカン・デ・プレ 聖母のミサ

2017年
716日(日) 午後5時 カトリック由比ガ浜教会
718日(火) 午後715分 カトリック関口教会・東京カテドラル
※両日とも開演20分前より音楽監督の花井哲郎による解説があります。

ヴォーカル・アンサンブル カペラは2017年で結成20周年を迎えます。
それを記念して、7月はカペラが20年間取り組んできた、ルネサンス音楽の巨匠ジョスカン・デ・プレの名作ミサ曲を演奏します。
グレゴリオ聖歌の聖母ミサの旋律を使ったこのミサ曲は、聖歌に準じて各楽章で旋法が異なります。
多くのルネサンスのミサ曲は、通常はひとつの定旋律などに基づいていますので、統一性がありますが、聖母ミサの場合はむしろ異質性を楽しめます。
それにジョスカンの聖母のモテット、また今年没後500年を記念するジョスカンと同時代のフランドルの大作曲家イザークによる、聖母被昇天の大規模なモテット、そしてグレゴリオ聖歌を加えて、典礼の形式で組んだプログラムです。

(音楽監督 花井哲郎)


演奏曲

グレゴリオ聖歌 Gregorian chant
 聖母被昇天のミサ固有唱
 Proprium missae de Assumptione Beatae Mariae Virginis

ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez (1450/55?-1521)
 ミサ《デ・ベアータ・ヴィルジネ》(聖母ミサ) Missa De beata virgine
  「思い起こしてください、おとめである御母よ」 "Recordare, virgo mater"
  「めでたし いとも聖なるおとめ」 "Ave virgo sanctissima"
 
ハインリヒ・イザーク Heinrich Isaac (ca. 1450/55-1517)
 「いとも聡明なおとめ」 "Virgo prudentissima"

出演

superius: 花井尚美 安邨尚美 鏑木綾 田村幸代
contratenor/tenor: 望月裕央 及川豊 根岸一郎 富本泰成 渡辺研一郎
bassus: 櫻井元希 花井哲郎(Maestro di Cappella=音楽監督)

チケット料金(5月24日発売予定)

7月16日
前売:一般4,000円 ペア7,400円
当日:一般4,500円
学生:2,500円

7月18日
前売:一般4,500円 ペア8,400円
当日:一般5,000円
学生:2,500円

※学生証を提示のうえお求めください
※全自由席

前売券取扱

東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650(セブン-イレブンでの引き取り可能)
東京古典楽器センター 03-3952-5515 サンパウロ(「四谷」駅前) 03-3357-8642
島森書店 0467-22-0266(7月16日由比ガ浜公演のみ)
問い合わせ:フォンス・フローリス (平日10時−17時) 070-4123-0871 email: contact@fonsfloris.com

主催:株式会社フォンス・フローリス
後援:ベルギー王国大使館
ヴォーカル・アンサンブル カペラ 公式ウェブサイト
ヴォーカル・アンサンブル カペラ 公式ウェブサイト Enter